パイプカット（精管結紮術）は、精子の通り道である精管を糸で縛って切断する手術です。
二度と精子が出ていかないようにしっかり手術を行います。精管の再吻合は不可能ではありませんが難しい手術ですので、将来またこどもが欲しいと思っても、実現不可能な確率が高いので、そのあたりを十分考慮されて、手術を受けて下さい。

1. 本人がパイプカットについて受ける意思があるかどうか確認します。
2. 配偶者のある方は、その方の同意を確認します。
3. 手術内容、手術の合併症などの説明をします。
4. 手術内容に御理解を得てから、手術同意書に署名を頂きます。
5. 手術前の剃毛などの準備を行います。
6. 手術を行います。約15分です。

麻酔方法

陰嚢上部の中央の1箇所で手術を行います。
局所麻酔は注射ではなく、MADAJETを使用して霧状の麻酔薬を皮膚から精管周囲まで
噴射します。痛みは軽度で麻酔薬も少量です。

皮膚切開

メスで皮膚を切開するのではなく、先端が尖った鉗子を皮膚から精管まで刺して、刺した鉗子にて皮膚に直径5mm程の穴を開けて、そこから精管を出して手術を行います。皮膚縫合は行いません。

精管の処理

精管を切断後、精巣側は1本の糸にて結紮しますが、尿道側断端は精管の内腔を電気凝固でつぶします。精管周囲の膜を利用して精管の両断端を膜の中と外に分離します。その処置により精子の再疎通のリスクが非常に少なくなります。
手術はMadajetによる局所麻酔で行います。
陰嚢上部の正中に麻酔を行います。
手術時間は約15分です。

2箇所切開法（従来型方法）

麻酔方法

陰嚢の左右2箇所で手術を行います。
左右の2箇所に皮膚から精管周囲まで局所麻酔薬を５cc程注射します。針を刺すときにチクっと痛みがあり、薬を注入するときにズーンとした痛みがあります。

皮膚切開

メスにて左右の2箇所に7mm の皮膚切開を行います。そのあと精管周囲まで電気メスなどで皮下組織を剥離して、精管を創外に出して手術を行います。左右１針皮膚縫合を行いますが、抜糸は不要です。

精管の処理

1〜2ｃｍ精管を切除し、それぞれの断端を計4本の糸で結紮します。その後精管周囲の皮膜を縫合して、精管断端が膜を介して分かれるようにします。

 

	no needle and NSV法	従来型手術法
手術部位	中央に1箇所	左右2箇所
麻酔	Madajetを使用した低侵襲麻酔	注射による局所麻酔（2箇所）
皮膚切開	無切開	2箇所に５mm の切開
出血	僅か	少ない
手術時間	約15分	約15分
手術部のしこり	小さい	小指頭大

手術の流れはこちら

手術後の疼痛はほとんどありませんが、睾丸痛、下腹部痛が少し出る場合があります。

シャワーはNSV法は手術当日から可能です。2箇所切開法は翌日からになります。　　　　入浴は１週間後からです。

1ヶ月後に精液検査を行って、精子が出ていないことを確認します。
それまでは避妊をして下さい。
精液検査は郵送で行っていますので、遠方の方でも再受診の必要はありません。
検査結果はメールまたは電話にてお知らせ致します。

• 上記価格には手術費の他、診察代、薬代、精液検査代等すべて含まれます。
• 支払いには下記のクレジットカードが使用可能です。